肩こりを経験したことのない人がいないくらい一般的な症状です。
肩こりの予防は、適度な運動と正しい姿勢です。現在の多くの人の仕事環境、PCを使用して一日中仕事をしている場合には肩こりになりやすい傾向があります。肩こりが酷くなると頭痛を伴うことがあります。
このような頭痛を緊張型頭痛といい、頭痛の中では最も多い頭痛です(頭痛の内約8割が緊張型頭痛との報告があります)。首コリや肩こり、背中のこりにより頭痛が起きてきます。鎮痛薬を服用しても、肩こり・首コリを治さなければ、鎮痛薬の効果が切れた時にまた頭痛を感じるようになります。筋肉や筋膜の異常なコリにより、首コリ・肩こりが生じてきます。
当ペインクリニックでは、湿布や塗り薬では治らない首コリ・肩こりに対しては、押して痛いところ(トリガーポイント)に注射をして、凝り固まった筋肉や筋膜を緩めて治療します。この治療をトリガーポイント注射といいます。
コリが非常に強い時には、エコーを使用してハイドロリリース(筋膜リリース)を行います。トリガーポイント注射は、髪の毛より細い針で行いますので、痛みはほとんどありません。トリガーポイント注射をした後に、当クリニックでは物理治療で、コリのある所を暖めます。頭痛が既にある時には、頭痛の大元である大後頭神経の通っている部位にもトリガーポイント注射をすることで頭痛が緩和されます。
緊張型頭痛には鎮痛薬より漢方が非常に効果があります。当ペインクリニックでは漢方的診断で、日本頭痛学会が勧めている漢方を含め患者さんに適した漢方を処方します。緊張型頭痛がひどくなると、頭痛と伴に目の奥が痛い、吐き気がする。ひどい時には嘔吐するなどの症状が出現します。
肩こりを放置していると頭痛が常に出現したり、背中に痛みが出たりします。肩こりでマッサージをしても、すぐに元に戻り凝ることがあります。そのような場合には当クリニックにご相談ください。
当クリニックでは、トリガーポイント注射や漢方による薬物治療とともに、適切な姿勢の保持や効果的な肩こりの予防体操も指導し、根本的な治療を目指しております。
肩こりに長く苦しんでいる患者さんの中には頸椎の神経によるものの(頚椎症性神経根症)こともありますので、医師による診断が必要になります。頚椎症性神経根症の場合にはトリガーポイント注射よりも有効な腕神経叢ブロックをエコー下に安全に行います。
頑固な肩こりに悩んでいる患者さんは、ぜひご相談ください。根本的に治すことができます。また、寝違いや頚椎に原因がある痛みも治療することができます。頚椎症性神経根症の場合には、マッサージなどを行うと悪化することが良く見受けられ、ペインクリニックの観点からはマッサージは避けた方が良いと考えています。